バイオリンを演奏する

余暇No.0056

れそぺーさんの場合

オーケストラや室内楽(少人数な編成の団体)の一員として、クラシック音楽のコンサートを開いたり、レストランやカフェなどで客席のBGMとして室内楽の演奏をしています。 楽器のメンテナンス(良い調子を保つように補修すること)についても楽器屋さんに教わって、部品の位置調整など簡単なことなら、自分の楽器のメンテナンスを自分でしています。

いつからはじめましたか。

演奏自体は小学校1年生の2学期から(先生に習い始めました)。

はじめたきっかけを教えてください。

親が何か習い事をすることを勧めた。大人になっても社会生活の中で役に立つ楽器演奏がいいのではないかと言われ、いくつか楽器があるうち、音が好きだったバイオリンを選んだ。(私は右手の中指が生まれつきなかったのでピアノは選択肢から外れました)

演奏時の様子1
演奏時の様子1

どのくらいのペースで実施していますか。

独身の時はオーケストラの演奏会が年4回、室内楽の演奏会が2~3回。結婚して子どもが生まれてからはオーケストラを退団し、室内楽のみの演奏会を年に1~3回。

演奏時の様子2

バイオリン演奏についてエピソードはありますか。

自分が思うように弾けない時はつらいですが、必ず上達すると信じて練習を続けると、少しずつ着実に上達し、自信を持てるようになり、嬉しいと感じます。高校や大学生時代にオーケストラに所属していた時は、後輩に弾き方の指導をしていたこともありましたが、私のアドバイスで後輩が上達していくのを見るのも、自分が上達しているように嬉しかったです。その後輩が私に教わった通り、更に後輩に教えているのを見かけると、世の中の役に立ったような気持ちになり、自分の発言の重みに身が引き締まる思いでしたし、更に自分の技術にも磨きをかけようと思いました。自分の思った通りの演奏ができ、演奏した曲の良さが表現できたと感じられた時は感動します。また、オーケストラや室内楽の演奏会本番で、みんなが一体となっていい演奏ができたら、とても嬉しいです。演奏会終了後の打ち上げで、一緒に演奏したメンバーと感想を言い合ったり、次の演奏会の計画を話たりする時間も幸せです。オーケストラや室内楽に所属したことで、普段仕事では関わらないような人たちと人間関係を持つことが出来て、人生経験の幅が広がり、豊かな気持ちになれたと思います。私の楽器を作った職人さんに会いにイタリアに行ったことがあります。本人には会えませんでしたが、周囲の方や弟子の方とバイオリンに関する交流ができていい思い出になりました。楽器を持ってイタリアの街を歩いていると、地元の人もそれに気づくとにっこり笑って親切にしてくれました。また、SNS上でバイオリン練習のコツを発信していて、頂いた質問に答えたりしていますが、見ず知らずの人から「役に立った!」「助かった」といったコメントなどの反響を頂くのは、自分の知識が人の役に立ったことを実感でき、演奏自体とは別の楽しみがあります。

こだわりを教えてください。

・演奏会後の打ち上げがないと面白くない
・喧嘩してまでいい演奏を求めようとは思わない(楽しむことを演奏活動の目的としているので)
・演奏活動ができないとつらいですが、家族に迷惑をかけない範囲で続けることとしています。

なぜ続けているのですか。

バイオリンの演奏は普段の生活の中では使わない自分の能力や感情やキャラクターの一部を活用する手段の一つで、しばらくこの活動ができないと、自分が偏ってしまって、あるいは自分の一部が壊死していくように感じるため細々とでも続けていると思います。活動に疲れたり飽きたりしたら無理せず休みますが、またやりたくなると思います。

演奏時の様子3
演奏時の様子3

これまでに辞めてしまった余暇はありますか。

水泳、フランス語学習、俳句です。
小学生の頃、バイオリンと並行して体力をつけるため水泳を習っていましたが、一定のレベルに昇級して目標を達成したのを期に辞めました。社会人になってからフランス語学習をしていました。通信講座を受講して半年ほど続けましたが、講座の終了とともにモチベーションが保てなくなって終了しました。社会人になってから職場の人に俳句の会に誘われて入会して、月次の会に参加していましたが、そこまで俳句にのめり込めず、演奏活動に集中するため2、3年ほどで退会しました。

小中学生のころ、夢中だったものは何ですか。

小学生の頃、親に勉強をするように言われ、勉強していました。4年生からは学習塾にも通い出しました。あまり自由な時間がなかった記憶があります。近所の友達といっしょに遊ぶ時間がもっと欲しかったです。家族旅行も他の家庭と比べると少なかったと思います。テレビや漫画、ゲームは禁止されており、よく知りませんでしたので、周りの同級生たちが羨ましかったです。

子どものころは、どんな子どもでしたか。

探究心が強く、ひょうきんな子どもだったと思います。人前で発表するのは平気でした。小学校低学年頃は目立ちたがりでしたが、学年が上がるにつれ目立ちたいと思わなくなってきました。一人でぼーっとして、妄想の世界に入っていることもありました。大人と話すことに、子供同士で話すのとは違った面白さを覚えており、抵抗はありませんでした。

れそぺーさんにとって余暇とは。

バイオリンの演奏は、日常で使うことのない自分の能力や感情を表現する手段であり、色んな人と色々な形(一緒に演奏する、客席で聴いてもらう、技術を教える・・・)で交流して人間関係の輪を広げる機会でもあります。

演奏時の様子4
演奏時の様子4

今後の目標ややってみたいことはありますか。

自分の好きな曲をもう一度演奏したいです。一度演奏したことがあるのですが、自分の理想により近い演奏をしたいです。しかし非常に難易度が高く、一緒に演奏してくれる人を探すのも大変です。
ヴィオラも弾けるようになりたいです。演奏技術を科学的に分析して、音色との関係を突き止めるための実験をしたいです。
演奏活動に関係ないところでは、
・もう一度フランス語を勉強
・日本や世界の歴史を勉強し直し
・IT技術をもっと学ぶ
・株等で資産運用(挑戦中)
・コーチングの勉強
・国内の秘境を電車で訪れる
・買ったまま読まないでいる本を読破
・胃腸が耐えられるうちに、なるべく多くの飲食店を巡り
などやってみたいです。

子どもたちへのメッセージをお願いします。

私自身の過去を振り返ると、基本的な情操や嗜好は小学生・中学生の頃に形成されたと思います。もちろん、人間は成長し続けられるので、高校生、大学生、そして社会人になってからも自分は変化しうるとは思いますが、ある時急に別の人格になるというより、自分に少しずつ色々な要素が足されていって、子どもの頃の自分の延長線上に大人の自分が形成されるということの方が現実に近いと思います。その意味で、小学生・中学生のみなさんが、今何に興味を持って何を楽しむか、というのは、大人になってから余暇をどう楽しむかに、意外と大きく影響すると思います。今のうちから、気になったことは何でも挑戦してみてください。もし「つまらない」と感じたことがあっても、それ自体も後で自分を深く知る上で役に立ちます。

現在はどんなお仕事をされていますか。

・会社の中で働く人やお客さんが使うウェブサイトなどのシステムを作ったり修理したりする。
・会社のDX(IT技術を使って仕事のやり方やサービスを改革すること)をどのように進めていくかについて、会社の中の人達を集めて話し合いをしながら考える。

この余暇に興味が湧いたら