古物蒐集(こぶつしゅうしゅう)
余暇No.0065

イカのこれからさんの場合
古い物を集める事です。古い物と言っても絵画や陶器のような希少価値の高い美術品や工芸品ではなく、役目を終えて捨てられてしまうような物や、大衆からは“価値が無い”と思われているような物を集めることが好きです。普通だったら捨てられてしまうような物の中にも見た目が美しい物や、こだわりを持って作られた物、作られた背景・使われてきたストーリーに心を打たれるような物がたくさんあります。 私が蒐集している物の一部を列挙してみます。戦前の物は「駅弁の掛け紙」「薬の包装紙」「アイスクリームのゴミ」などです。戦後昭和の物は「新幹線の座席」「空き缶」「空き瓶」「調味料のゴミ」などです。平成初期の物は「お店に置く販促用の人型等身大パネル」「バスの電光掲示板」「日焼けした食品サンプル」等です。 古い物の集め方は様々ですが、オークションサイト、骨董市や骨董品店等で気に入ったものを購入することが多いです。もしくは、まるでゴミ拾いのように山や林の中に不法投棄された古い空き缶やお菓子の包装を拾ってくることもあります。拾ってきた物は洗ってから部屋に飾ります(洗わないこともあります)。 集めている物について調べてもピンポイントで資料や情報が無い事が多いので、いつ作られた物なのか明確にならない事ばかりです。そんな時は企業名やロゴの変遷、デザイン、その他の様々な情報から多角的に時代を推定する事もこの趣味の醍醐味です。また、せっかく集めている物を一人だけで楽しむのでは少し勿体ないので、友人に見せたりSNSに掲載して楽しんでいます。誰も反応してくれない事もありますが。
いつからはじめましたか
本格的には社会人になってから。
はじめたきっかけを教えてください
たぶん、就職した直後に古い看板を購入したことがきっかけです。オークションサイトを見ていた時に、幼い頃からなんとなく好きだった古い看板が安く出品されていたので思い切って買ってしまいました。部屋の中に置く古いガラクタは異質な存在でしたが、それが妙な癖になり古い物やガラクタを集めるようになってしまいました。

どのくらいのペースで実施していますか。
気に入った物があればいつでも。
古物蒐集(こぶつしゅうしゅう)についてエピソードはありますか?
自分の趣味に共感してくれる人や「いいね!」と言ってくれる人が極端に少ないので、自分の感性を否定されているような気分に陥る事が悲しいです。しかし最近は共感してくれる友人が少しずつ増えてきて、お互いに良いと思った物があれば情報共有する楽しみが増えました。

こだわりを教えてください
見た目が美しいだけでなく、物として作られた背景や使われてきた背景に共感できる物を集めるようにしています。最近は“レトロっぽい”デザインの商品が増えてきましたが、物としての背景に共感できない物が多いのであまり関心がありません。

なぜ続けているのですか?
自分が生まれるより昔の物、デザイン、文化や生活様式への関心が高い事が理由だと思います。古い物にまつわるストーリーを調べるのがとても楽しいです。

これまでに辞めてしまった余暇はありますか?
ありません。
小中学生のころ、夢中だったものは何ですか?
原子力発電に関心があり、よく調べていました。理由はよくわかりません。
子どものころは、どんな子どもでしたか?
可愛くない生意気な子どもだったと思います。自分が興味を持った事と、それらの背景だけはよく調べていました。
イカのこれからさんにとって余暇とは
私にとって余暇とは“なんとなく好きでやりたいこと”をできる時間です。今の趣味も、昔からなんとなく好きでやってきた事の延長上にある事だと思っています。

今後の目標ややってみたいことはありますか
古い物を集め過ぎて本当に邪魔なので、集めた物を置くためだけの物件を借りてることが直近の目標です。

子どもたちへのメッセージをお願いします
「余暇」と言われてもきっとピンと来ないですよね。大人になっても好きな事ややりたい事はできるので安心してください。でも、ゴミやガラクタを集めるのはやめましょう!周りの人たちに怒られてしまいます。

現在はどんなお仕事をされていますか。
電子ピアノの電気で動く部分や音質に関わる部分の設計をしています。